産 育 習 俗 資 料 室

産 屋(うぶや)
産屋(うぶや)
大原の産屋は茅葺、切妻屋根、
それをそのまま地面に伏せたような
天地根元造という古い建築様式で造られ、
神話の世界を思い起こすような佇まいです。
出産の折、
十二把のワラ(閏年は十三把)を持ち込み、
出入口に魔除けとして古鎌を吊り、
七日籠って出産していました。
この習俗は大正初期まで続き、
また、産後三日三夜に時代と共に短縮され
一夜籠る習慣は
昭和二三年頃まで続いていました。
現在は利用されなくなりましたが、
産後に身体を休めた安息の場所である
この産屋を地元では大切に守っています。
また、安産の神、大原神社の信仰の源として
多くの人々に愛されています。
全国に残る数少ない
産育習俗を伝える文化財として、
昭和六〇 年(一九八五)に
京都府指定有形民俗文化財に指定されました。

産育習俗資料室

境内に設けられた産育習俗資料室には、乳母の適正年齢などをまとめた江戸後期の育児書『愛育茶談』(桑田立斎著)、難産でも母子ともに救えるナガスクジラの髭を使った和製産科鉗子「探頷器」の解説書や、昭和初期の乳母車、胎盤の模型など、珍しい貴重な資料を展示しています。

大原神社近くを流れる川合川沿いには、大正初期ごろまで妊婦が出産時にこもったという「産屋(うぶや)」京都府指定有形民俗文化財があり、一帯は「生命誕生の聖地」といわれ京都府景観資産に登録されています。